FX(外国為替証拠金取引)には、「ロング」と「ショート」という基本的な取引方法があります。
これらの用語は、個々の取引スタイルや市場に対するポジションを指し、初心者から中級者まで幅広いトレーダーにとって理解しておくべき基本概念です。
本記事では、ロングとショートの基本的な意味、違い、そしてどのように判断してロングとショートのどちらの取引を選ぶべきかについて詳しく解説します。
FXのロングとショートとは?
FX市場において、通貨の売買を行う際にトレーダーは「買い」または「売り」のポジションを取ります。
買いのポジションのことを「ロング」、売りのポジションのことは「ショート」と呼ばれています。
ロングとは、通貨の価値が上がることを期待して購入し、その後に高値で売却して利益を得る取引方法です。
一方、ショートは通貨の価値が下がることを予見して売却し、その後に安値で買い戻して利益を確定する取引方法です。
ロングとショートの基本的な意味
ロング(Long)は、通貨ペアを「買う」ことを意味し、将来的な価格上昇を期待して行う取引です。
たとえば、米ドル/円(USD/JPY)でロングポジションを取るということは、USDの価値がJPYに対して上昇することを予想してUSDを購入することを指します。
逆に、ショート(Short)は通貨ペアを「売る」ことを意味し、価格の下落を見越して行う取引です。
例えば、USD/JPYでショートポジションを取る場合、USDの価値がJPYに対して下がることを期待してUSDを売ることを指します。
売りと買いの違いから分析
ロング(買い)は低い価格で通貨を購入し、その価格が上昇したときに売却して利益を得ることを目指す取引です。
一方、ショート(売り)は現在の高い価格で通貨を売却し、その後価格が下がった時に買い戻して利益を得ることを目的とします。
例えば、米ドル/円(USD/JPY)でロングポジションを取る場合、USDが円に対して上昇すると想定してUSDを購入します。
逆にショートポジションを取る場合は、USDが円に対して下落すると予想してUSDを売却するのです。
このように、両者の主な違いは、利益を得るための市場価格の予想に基づく取引の方向性にあります。
ロングとショートの由来
「ロング」と「ショート」という用語は、FXや株式市場などの金融取引において広く使用されていますが、その由来はどういったものか解説していきます。
言葉の由来(語源)としては諸説ですが、これらの名称は、相場(チャート)の習性から来ているようです。
【ロングの場合】
FXなどの金融商品では、上げ相場の場合、緩やかに上昇していく傾向があるため、長期的=ロングに保有してゆっくり利益をあげることをさしているようです。
【ショートの場合】
逆にロングとは違い下落する局面では早い動きとなる傾向があるため、短期的=ショートに利益をあげることが多いというところからきているようです。
ロングとショートは由来通りの傾向があるのか?
ディーリングアカデミーでは、デイトレード・デイスキャルのトレードスタイルを推奨しておりますが、
ロングだから長期保有、ショートだから短期保有ということは一切ありません。
ロングもショートもポジションを持ったあとは、期間は一切関係なく、根拠(高値揃い・安値揃いなど)があれば決済する。
もしくは決められたターゲットに到達したら決済をする。ということを徹底しております。
FXでロングとショート、どっちを選ぶべきか?
FX(外国為替証拠金取引)では、取引を始める際にロング(買い)とショート(売り)のどちらを選ぶかを決定することが重要です。
FXのロングとショートポジションには、トレーダーの経験(検証回数)やトレードスタイルや相場環境(マルチタイムフレーム分析)によって、
ロング(買い)に優位性があるのか、ショート(売り)に優位性があるのかを把握する必要があります。
初心者向けのおすすめはロング?
FX初心者には、基本的にはロングポジションの取引をおすすめします。というような事が書かれている記事を
多々、目にすることがあるのですがハッキリ言わせてもらいます!
そんな事は一切ありません。下がる時は下がるし、上がる時は上がる!
なので、繰り返しになってしまいますが、ロングがオススメ!ショートがオススメ!という事は一切ありません。
FX初心者の方は、まず相場の本質を理解し、リアルマネーでは取引は行わない。
初めからリアルマネーでトレードをする方のほとんどが資金を飛ばしてしまっています。
FXのロングとショートの判断
FX取引において、ロング(買い)とショート(売り)のどっちに優位性があるのかを判断するのは非常に重要です。
ショートとロングの優位性を判断するためには、3大理論である、サポレジ・ダウ理論・フラクタルを使うことが効果的です。
①サポートラインレジスタンスライン、②ダウ理論、③フラクタル(マルチタイムフレーム分析)を使うことによって、ロングとショートのどちらに優位性があるのかを判断することが出来るようになります。
①サポートライン・レジスタンスラインとは?
サポートライン・レジスタンスラインとは、過去に相場が反転し意識されている価格帯に引かれているラインのことです。
価格は谷や山を形成しながら推移していくので、谷の頂点をサポートと呼び、山の頂点をレジスタンスと呼びます。
②ダウ理論とは?
ダウ理論とは6つの基本原則で構成されている理論です。
基本原則1
平均株価はすべての事象を織り込む
基本原則2
トレンドには3種類ある
基本原則3
長期トレンドは3段階からなる
基本原則4
平均は相互に確認されなければならない
基本原則5
トレンドは出来高でも確認されなければならない
基本原則6
トレンドは転換の明白なシグナルが出るまで継続する
③FXにおけるフラクタルとは?
相場(チャート)は複数の時間軸でできており、
上位足の中の下位足である、日足のなかの4時間足、4時間足の中の1時間足、1時間足の中の15分足など、
時間足を拡大する事で同じチャートの形をしていることが分かります。
FXのロングとショートが溜まる状況とは?
FX取引において、ロングポジション・ショートポジションが多く積み上がる状況は市場の特定の状態を示しています。
このような状況が発生する場合、市場参加者は通貨の価格が上昇・下落することを強く予想しており、それに基づいて取引を行っています。
ここでは、ロングポジション・ショートポジションが多い時の市場の状態と、その結果起こり得る価格変動の可能性について詳しく解説します。
ロング・ショートが多い場合の市場の状態
ロングポジション・ショートポジションが市場に多く溜まった場合、その通貨の価格は上昇・下降トレンドにあることが多いです。
ショートポジションの例でいうと、経済指標の悪化や政治リスクの増加、中央銀行の金融緩和政策など、ネガティブな要因が影響しているケースが一般的です。
このような状況下では、市場参加者の多くがその通貨の価値が下降することを予想し、ショートポジションを取ることで利益を得ようとします。
ショートポジションが多数積み上がると、その通貨の売り圧力が強まり、価格のさらなる下落を促進することがあります。
価格変動の可能性について
ロングポジション・ショートポジションが溜まると、価格の変動幅が大きくなる可能性があります。
ショートポジションの例でいうと、予想外のポジティブニュースや経済指標の好転が発表された場合、ショートカバー(売りポジションを解消する買い戻し)が大量に発生することがあります。
これにより、急速な価格上昇が引き起こされ、いわゆる「ショートスクイーズ」という現象が発生することも珍しくありません。
また、ショートポジションが溜まっている状態では、市場のボラティリティが高くなりやすく、一層の注意が必要です。
このようなリスクを考慮しながら、ポジション管理やリスクヘッジを行うことが重要です。
FXでロング・ショートのエントリーのタイミングをとるのはなぜ難しいのか
FX取引において、ロング(買い)・ショート(売り)のエントリーのタイミングは難しいとされています。
その主な理由は、価格の上昇時期・下落時期を正確に見極めることが困難である点です。
ここでは、ロング・ショートのエントリーするタイミングが難しい理由について、転換期の見極めの困難さについて解説します。
転換期の見極めの困難さ
ロング・ショートのエントリーのタイミングをとるが難しいとされる一因は、転換期の見極めが非常に難しい点です。
ショートポジションを例にあげると、長期的な上昇トレンドが突然、下降トレンドに変わるタイミングを正確に予測するのは容易ではありません。
多くの場合、下落を示すシグナルが出る前に価格が急変動することがあり、ショートポジションを取ろうとしてもタイミングが遅れてしまうリスクがあります。
また、偽のシグナルに騙されて誤ったポジションを取ってしまうこともあるため、専門的な市場分析と迅速な判断が求められます。
このため、転換期を正確に見極める能力と経験が求められ、初心者には特に難しいと言えるでしょう。
短時間での利益獲得のチャンス
デイトレードでは、短時間での利益獲得が期待されますが、これもまた難易度を高める要因となります。
短期トレードでは、瞬時の判断力と素早い行動が求められるため、経験とスキルが重要です。
スキャルピングの超短期トレードでは取引頻度が高く、ポジション管理や資金管理が難しくなります。
短期のトレードになればなるほど初心者には難解な取引方法として認識される傾向があります。